太陽インダストリー株式会社 段ボール事業部

太陽インダストリー株式会社 段ボール事業部 技術情報

段ボールの基礎知識

段ボールの種類

1.使用目的・用途

段ボールによる包装材を設計するためには、まず段ボールの特性をしっかり把握しなければなりません。

段ボールは片面段ボールから複々両面段ボールまで多彩な種別がありますし、段ボール原紙も様々です。

2.お客様のメリット

・適切な材料選定をすれば、目的に合った箱を作ることができます。

・段ボール種別の特徴を知れば、メリットを活かしデメリットを最小にした包装にすることができます。

・適宜適切な設計提案を採用頂くことで、環境に優しい、無駄のない仕様となります。

・機能性段ボールを使用すれば、高いコストパフォーマンスを得ることができます。

3.当社の独自性

・各段ボールの特性をしっかり抑えた材料を提案します。

・材料強度を、計測データに裏付けされた数値で把握しています。

・多くの生産量、広い製品倉庫、管理された物流システム、生産管理システム導入で柔軟な対応ができます。

・重量物段ボールを自社で製函しており、細かい融通がききます。

4.段ボールの種類

無題

※使用するライナー及び撥水液塗布の有無等で変化します

順位は◎→○→□→△→×になります

5.段ボール原紙と加工

名称

特徴

Kライナー クラフト製法で製紙された、最も一般的な茶地の紙。国内では一般に古紙が90%以上となります。尚、ライナーとは、段ボールの外側を形成する紙のことをいい、ライナーは多層抄きの板紙で、通常4層抄きです。K7,K6,K5の3種類が一般的です。
Cライナー ジュートライナーと呼ばれる古紙100%の紙です。C5が一般的です。板紙市況は一般にこのC5ライナーで表されます。
UKライナー 欧米産の輸入原紙でバージンパルプが100%のため、パルプ繊維が長く、強度が高いものです。撥水効果もありますが、表面がざらついているため、印刷適性が低いのが難点です。
白ライナー クラフトパルプを洗浄し脱色したライナーです。強度は同等坪量のものよりも劣りますが、白色のため、美粧性を求める場合等に使用されます。
中芯 中芯とは段ボールの内側、つまり波状部分を形成する紙で、中芯は多層抄きの板紙で、通常4層抄きです。原料は主に古紙を使用します。SCP120,SCP160の2種類が一般的です。強度が必要な場合は、強度をアップさせた強化中芯もあります。
撥水加工 ライナーに撥水液を希釈したものを塗工し、撥水効果を持たせるものです。水に強くなる一方インクジェットプリンターを使用している場合はインキの速乾性が損なわれる場合があります。
防錆加工 段ボールに特殊な薬剤を塗布し錆や腐食を防ぎます。電子製品・銀器などの発錆防止包装に適しています。一定のロットが必要です。
導電加工 ライナー原紙にカーボンを含ませ、電気抵抗値を下げて静電気を逃がしやすくしたものです。半導体部品等に使用されます。一定のロットが必要です。
防虫加工 特殊な薬剤を混合したインクやニスを段ボールシートに塗工することにより、虫を忌避し、侵入を防ぎます。一定のロットが必要です。
保冷加工 裏ライナを特殊な保冷塗工剤でコーティングした段ボールで、青果物、水産・畜産加工品、酒類などの保冷輸送に適しています。一定のロットが必要です。

6.併せて検討頂きますと便利です

当社の段ボールを使用した箱・仕切・パレット等を併せて当社で検討させて頂けますと、材料特性をしっかりと活かした精度ある設計提案が可能です。

7.ご検討頂くに当って

・少量の試作サンプルに関しては無償でご提供させて頂いておりますが、数量が多い場合や特殊な材料構成のシート・特殊加工品等の入手可否や納期は営業マンにお尋ねください。

手掛穴について

images

荷役便益のため、よく外装箱には手掛穴が加工されます。

手掛穴は大きくU字型とO型があり、O型は繰り抜き穴です。

段ボールに施される手掛穴は0201式(みかん箱・A式)であれば、通常はFGと言われる機械の一部で加工されます(サイズによります)

サイズは幅70~100mm、高さは20~40mm程度が一般的なようです。

部分型で加工しますし、多くの場合は既存で木型が準備されていますので、木型費用は必要ない場合が殆どです。

手掛穴は荷役しやすいのと同時に運ぶときに底面を持たなくなることから輸送中に落下される高さが低くなる傾向にあることは大きなメリットでもあります。

デメリットとしては、中に塵埃が入りやすい点でしょう。

もうひとつのデメリットとして手掛穴は、圧縮強度劣化の要因になります。

但し、圧縮強度への影響は、手掛穴が箱の中央部に寄るほど(手掛穴なしでの座屈線から遠ざかる程)少なくなると文献には記されています。

また、手掛穴の切断加工の周囲のバリが輸送中に隣の箱へ傷をつける原因になっていたりと、意外と奥が深い加工です。

ECT値について

12

当社では、JIS Z0403-2で定められる段ボールの垂直圧縮強さ(ECT値)を各段ボールシートごとに測定しています。

それは、圧縮強度を机上計算で概略設計するためです。

計算式にはウォルフ式というものを採用しています。

一般にはケリカット式というものが採用されて広く普及しているようですが、ケリカット式はあくまで3辺が60cmの段ボール箱を基準としており、また紙の圧縮強さであるリングクラッシュ値を用いています。

結果、高さや扁平比率の概念や、段ボールシートへの加工時の劣化については一切加味されておらず、計測上でも実測値に比べかなり低い値が算出されます。

つまり、過剰品質になりがちな計算ができてしまうわけです。

しかしウォルフ式では、段ボールシートへの加工劣化が含まれているECT値を基準とし、周辺長・扁平比率・箱高さの概念が加味された算出結果が出るため、実測値ともかなり近似の数値が算出されます。

ここからさらに手掛穴や印刷劣化を加味したものが計算上の圧縮強度となるわけです。

なので、ECTの標準値データを持っておくことは非常に重要なことになるわけです。

包装材指令

USA03

包装材指令とは、正確には包装品・包装廃棄物指令のことを指します。

よく間違われるRoHS指令では、工業的な製品の中身を規制したものです。

そのため、RoHS指令において、梱包部材を規制する事はありません。

この包装材指令について、内容は、読んで字の如く包装品や包装の廃棄に関する指令です。

パレットなど流通品は対象外となっています。

規制有害物質は「鉛、水銀、カドミウム、六価クロム」になります。

そして、1点注意しなければいけないのが、閾値についてです。

この指令に関しては1包装単位の合計が、100ppmという基準になっています。

これはRoHS指令より、厳しい規制になっています。

ちなみに、大型の外装箱などによく使用されるステープルは、この包装材指令にひっかかりますので、欧州へ輸出する包装材には使用しないことをオススメします。

尚、この規制は欧州の規制ですが、生産のグローバル化に伴い日本でもこれを取り入れる企業が増えているようです。

段種別(フルート)

IMG_2519 (NXPowerLite)

日本では両面段ボールでは5mm厚のAフルート、3mm厚のBフルート、複両面段ボールは8mm厚のABフルート(Wフルート)の3種類が広く普及しています。

ちなみにABフルートは表面がBフルート側であることから正確にはBAフルートが正解のようです。

逆にこれ以外の段ボールであるマイクロフルートやCフルートを作れる工場はまだまだ少ないようです。

しかし、このうちAフルートは日本だけで広く普及しており、海外に出るとCフルートが主流となってきます。

厚みが1mm違うので、若干Cフルートの方が強度は落ちますが、包装材の減容化には非常に効果があります。

シビアな設計では内寸が稼げる点も魅力的です。

更に、海外生産が非常に多くなってきている昨今では、海外工場との仕様共通化のためにCフルートをスタンダードとするのも良い手段です。

当社関連会社であるレンゴー株式会社でもCフルートを推奨・製造拡販をしております。

Cフルートの複両面段ボールはBCフルートとなります。

また、複両面段ボールやAフルート、Cフルートは一般的に外装箱に使用されますが、Bフルートはラップラウンドケース等、内容品に強度があるものなどでしか外装箱にはあまり使用はされません。

強度による違いや、反りやすい性質から耐圧強度への影響が懸念されているためだと推測されます。

しかし、Bフルートは厚みが薄いため、印刷適性が良い、折りやすい、紙粉が出にくいというメリットもあります。

また、薄いということは、木型などで押切する際の潰れが少ないという点でも魅力的です(分厚いWフルートは15%~25%程度の復元しない潰れが発生する)。

マイクロフルートは、GフルートとEフルートがあり、それぞれ1mmと1.5mmの厚みです。

主に紙器の代替品として使用され、一見紙にしか見えない薄さです。

代替品としてのメリットは容器包装リサイクル法によるリサイクル料支払い費用を抑えることです。

それはすなわち環境に優しいことを表しており、CSR観点からもオススメの素材です。

薄いために、印刷適性も非常に高く、オフセット印刷した紙と合紙することなどもできます。

このように段ボールは段種別ごとに様々な特徴があるのです。

段ボールの生い立ち

s_inoue

もはや包装資材としてなくてはならなくなった段ボールですが、最初はイギリスで当時流行していたシルクハットの内側の汗を吸い取るためのパーツとして開発されたものだとされています。

しかし、構造の耐久性がすぐれているため、その後15年程たったころに、アメリカでガラス製品用の包装資材として利用するようになったのが起源といわれています。

日本において「段ボール」という言葉を作ったのは井上貞治郎とされています。

一般に使用されるのは、5mm厚のAフルート、4mm厚のCフルート、3mm厚のBフルート、1~2mmのE/F/Gフルート(マイクロフルート)です。

また、表にBフルート裏にAフルートを貼り合わせたシートはBAフルート・ABフルートまたはWフルートと呼ばれます。

段ボールシートの用途は一般的に製函用途が多いのですが、緩衝材やパレット、コンクリートパネルなどにも使用されます。

輸出用には2~3層構造のAAAフルート、AAフルートなど特殊な段ボールが木箱や鉄枠の代替品として普及してきています。